彼らは。

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力。 ……って、なんなのさ。 ライは、手に持てないほどもっさりと集まった枯れ木を見てそう嘆いた。 「………もしかして、俺って幸運男か?あれか?ゲームで言うめちゃめちゃ運だけ高くて他に取り柄のないキャラクターか?」 適当に歩けば、歩く先々にある素晴らしい枯れ木の数々。 適当に拾いながら迷ったか、と思えば少し歩くだけで見える目的地。 「…俺ってすげぇ……」 大した凄い事でもないのだが、ライにとっては感激だったらしい。 ポツリポツリ、独り言を言いながらニヤリと口橋を引き上げて笑った。 両手にいっぱい持った枯れ木を行く先々に落としつつライは鼻歌混じりに森を出る。 さて、後はあいつらの所に帰るだけだと思いながら。 そして、この運がこれからの自分の運命を大きく変えるとも知らずに……。
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