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戻ってくる所を間違えた。
ライが枯れ木を持って帰ってくると
そこに待ち受けていたのは笑顔で迎え入れてくれる彼らではなく。
「ふざけてんじゃねぇよ馬鹿ラルフ!」
「あぁ?ふざけてんのはテメェじゃねぇかユウナ、俺は本当の事しか言ってねぇだろが。」
「うるせぇ!!」
……戦う勇者と女武芸家、もといラルフとユウナだった。
「よぉ、お帰りライ。いい感じに集まったな枯れ木。」
「……タミチ?あれ、止めなくていいわけ?」
本気で戦う二人を尻目にタミチは離れた木の下でのんびりと休憩をしていた。
……その横には剥ぎ取られて畳まれたモンスターの皮と、肉の切れ。
「あぁ。別に止める必要はねぇよ。いつものケンカだし、手を出したら危険だぜ?ほら、お前もこっち座れって。暫くかかるからここで飯食うぞ。」
「……はぁ。」
いつもの、
つまり
アレはいつも起こる出来事であり、俺はアレを見なきゃいけないわけね
などとライは思いながらタミチの隣に腰を下ろした。
「くらぇっ神風キィィックゥゥ!」
「喰らうかぁあっ」
結局ケンカが収まったのはライの用意した枯れ木で火を付けて、肉が香ばしく焼けてからだった。
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