彼らは。

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「あーあ、また壊れちゃったよ三節棍。」 「そりゃこっちの話よ、私のグローブボロボロじゃん、お気に入りだったのに……」 「……お前らなぁ。」 一ケンカ終えた後、ラルフとユウナがまたケンカを始めないようにと火の周りに円を作るようにして二人を隣にしないように四人は座った。 パチパチと火を燃やすのは焚火の火だけではない事に、またケンカを始める気かとタミチは呆れ、ライは脅えた。 二人、ケンカをしている間、何もすることのなかったタミチとライは、ケンカしている二人の話をしていた。 この二人は、平均して二日に一回はこうしたケンカをしているのだと。 その原因は至って馬鹿げたもので、右か左かどっちに行くかだったり、 はたまた食べ物の食べ方だったり。 最初は口喧嘩から始まるのだが、勢いが止まらなくなるらしい。 そして何より凄いのは、武器が壊れるまでとことん戦う事だ。 冒頭のセリフのように、ラルフの三節棍は既にただの短い棒切れと化し、ユウナのグローブはボロ切れ同然だった。 「……苦労してんだな、タミチ」 それを聞き、そして今の現状を見てライがボソリと呟けばタミチは笑みを浮かべ 「テメェももう同類だろ?」 と言った。 ライはその時ほど自分の運命を呪い、同時に何故ツボを拾ったのかと言う気持ちが芽生えた事はなかったらしい。 「ハイハイ、ケンカを続けるのは良いけど武器は自分で買えよ。次いでに肉焦げて食いっぱぐれても知らねぇからな。」 ずっと睨みあいを続ける二人にタミチは肉にかぶり付きながら言った。 かじりついた瞬間、肉から出た肉汁が滴り落ち、それを舐めながらタミチが『美味い』と言えば、ラルフもユウナも土に挿して木にくくり付けられた肉を奪うようにして取れば、互いの顔を見てしかめっ面のまま肉を食べ始めた。 外はもう暗く、ライの気持ちも暗くなっていた事はタミチのみが気づいていた。
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