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エピローグ~人見知りなラブソング
生後3ヶ月を過ぎた頃だった。育児本の通りに順調に首が座ってひと安心。格段に抱っこも楽になった。ところが4ヶ月を過ぎたあたりから、夕方突然大泣きするようになった。
セイヤを抱え、たった1人で小児科を駆け回る。
「んーどこも悪くありませんねー」
どこの医者にものらりくらりとかわされ、答を教えてくれない。まるで誰もが無責任に逃げているように感じたものだ。
落ち着け落ち着け。一つ一つ原因を調べていこう。
オムツじゃないし、おっぱいじゃない
眠いなら寝るでしょ?
あとは暑い?寒い?
抱き方が悪いのかな
歌を歌ったり絵本を見せたり
…
何やっても激しく泣くのだ。
本当はすごい病気になってるんじゃないか
不安になったところで隣のアパートの窓が、聞えよがしにピシャリと閉まった。
アキラは仕事を探しに行ってる。お義母さんに相談して、何か否定されるのも怖かった。
1人で赤ちゃんを持て余してるのは明らかだけど、重大な病気のせいにでもしなければ、ダメ母と烙印押され、迷惑な母子と邪魔者にされ、居場所を失くしてしまうんじゃないか。
絶望が私を襲ってくる。
毎日こんなにがんばってるのに?
「いい加減に泣き止んでよっ!」
気づいたら物言わないセイヤの背中を叩いてしまっていた。
一瞬セイヤの泣き声が止まる。
目が合った。怯えている。この世で安心を与えてくれる存在を私以外まだ知らないというのに、母の狂気にあてられてしまったのだ。
叩いたあとのその空白の時間、背筋にぞーっと寒気が走った。
暴走するのは簡単だ。非難する人はそこを理解しようとしない。暴走するか我にかえるか紙一重だということを。
さらに激しく始めたセイヤと一緒に私は大泣きして、
そんなんが1か月くらい続いたかなあ……
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