case3.電話が……鳴っている……事件

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 それでも結構長い前奏だったので、また母の座っているはずの席をちらっと見ました。  ――あれ? どこ行った?  そこに母の姿はなく。  ――まさか!  慌てて電話の方を振り向いた私の視界に――  今まさに電話を取ろうとしている母の背中が!! 「――待って!」  秒速で母の肩を掴み、幸いフロントに繋がるという最悪の事態は免れましたが……。  親が認知症になった時の子供の気持ちを味わえた事件でした。  因みに今も母に認知症の症状は出ていません。あくまでただの天然です(笑)。
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