6人が本棚に入れています
本棚に追加
桜がひらひら舞い散る4月上旬。
俺、鬼堂 真は今日堺町にある堺中央高校の高校生になった。
真新しい制服を身にまとい、これからの学校生活に期待と緊張を持ちながら校門を潜り教室確認をする。
自分が1年A組と分かるとそそくさと教室に向かう。
_____
_____________
1年A組の教室に到着すると黒板に書かれてある席順を見て自分の席に着席する。
「とりあえず、本を読んで時間を潰そうかな。」
分厚い本をスクールバックから取り出し読み始めた。
その時隣の席にいた女子2人の少し煩い喋り声が気になり聞き耳を立てた。
「ねえ、知ってる? “狭間の奏者” がまたこの街に現れたんだって!」
「その “狭間の奏者” って何さ?」
ワクワクしながら話す女の子に対しもう一人の女の子は興味なさげながらも質問をする。
その質問に興奮を収められないか勢いよく喋る始めた。
「噂なんだけどね、学校の近くにあるボロボロのポストに怪奇事件や相談の手紙を入れるとね “狭間の奏者” が事件を解決してくれるみたいなの!」
「と言うか何で “狭間の奏者” っていうの?」
「狭間から出てくる様に突然出てきたり横笛を吹いている姿が目撃されているし……」
女の子はさっきまでの興奮した声とは違い真剣な声色になる。
「何より自ら “狭間の奏者” って言ってたんだよ。」
「へー」
「しかも目撃者は皆顔は見ていないけど、ウチの学校の制服を着ていたらしいんだ!」
「もしかしたら知っている人だったりしてね」
女子2人は「まさか!」といい笑いながら違う話題に花を咲かせ始めた。
聞き耳を立てていた俺はチラッと周りを見たがさっきの女子達の方を向くとすぐに見るのを辞めた。
何故なら女子達の周りにいる蛇の様な胴体の長い何かが俺の事を見始めたから。
また何か言われる……嫌なことが起きるのだろうと考えその蛇の様なものを避ける様にまた本を読み始めた。
最初のコメントを投稿しよう!