散想

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あたしと西川さんは、会社でデスクが隣同士だ。歳も一つ違いだから、仕事中もよく話をするし、二人で飲みに出かけたこともある。基本的にいつもゲラゲラと笑っている西川さんは、仕事になると急にキリっとして、かっこいい。 あたしの中に、まったくそういう気持ちがないといえば嘘になるけれど、それ以上になることはないと、ずっと思っていた。 思っていたけれど。 あたしは展望台を下りると、駅舎に入った。壁に掛けられた時刻表を眺める。 ああ、なんだか、じっとしてなんていられない。 札幌までの、帰りの交通機関を調べながら、あたしはプラットホームに立った。
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