3.始まり

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今思えば馬鹿らしいと思ってしまうけど、私は後輩という立場上、謝るしかなかった。 表彰が終わり、学校ごとに解散の声が掛かる。 私の目から見える景色は、涙で潤んでいた。 「なんでなんだろう。」 みんなが喜んでくれると思っていた。 世間はそんなに甘くなかった。 私が知らなかっただけ。 苦しい。 泣いたら負けって分かってるのに。 一人で、近くの木の下にしゃがみこんだ。 「泣くなよ。」 冷たいペットボトルが私のおでこに当てられた。 「へ?」
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