プロローグ

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封筒に入っていた地図を頼りに半信半疑に歩いてきたが、どうやら無事に目的地に付いたようだった。  引きこもりの俺が学校の校舎を拝むのは実に数ヶ月ぶりの事だった。  久しぶりに見た校舎は俺の記憶にあるものと随分と違って見えた。  というか、違った。 校舎だけではない。街並み、踏みしめる大地、吸い込んだ空気の味、頬を撫ぜる風の香り。そして空に輝く二つ太陽。 俺が昨日まで記憶している世界と、今俺が立っているこの世界は、全てが違っていた。 事の発端はそう、昨日だ。 数ヶ月に及ぶ俺の引きこもり生活に幕が降りた日だ____。
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