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薄暗い部屋の中、俺は天井を見つめていた。
いつから天井を見ていたのか自分でもよくわからない。
寝ている時と起きている時の境界があやふやだ。
俺がこの部屋に引きこもってから数ヶ月がたった。
お袋は最初こそ心配していたようだが最近はそんな素振りはなく、むしろ俺を険にし始めたように感じる。
まあ、天塩にかけて育てた一人息子が急に引きこもりになったのだ。
当然といえば当然だ。
会話もろくにしないし、仕事も忙しいのだろう。
俺も別に気にしない。もうどうでもいいのだ。
だが、だがしかしだ。
ひとつだけ譲れないものがあった。
パンだ。
俺の部屋の奥に置いてある仏壇。
そこに備えるパンは何としても確保しなければならない。
少し前までは毎日、まあ1日くらい空く日はあったが、ほぼ毎日新しいパンを、頼めばお袋が買ってきてくれていた。
だが、最後に買ってき貰ったのはもう四日前である。
俺の飯は毎日部屋の扉の前に置いてある。これは継続している。
だがパンはない。
ふと仏壇の方を見る。
「……なんてこった。」
俺は目を見張った。
カビが生えていたのだ。
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