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「これは買い物に付き合ってくれたお礼だよ」
佐藤はお礼と称してミユにジャムパンを渡した。
この店は先払い方式で学食に近い。
「いいって。自分で食べなよ」
「おそろいだから気にしなくてもいいって」
そう言うと佐藤はもう一つのジャムパンをミユに見せた。
コーヒーは安物なのにクリームはポーションではなく特製のミルクという変なこだわりのこの店の贅沢である、ミルクをこれでもかと入れたコーヒーと共に二人はジャムパンを囓った。
「ところで、どうしてジャムパンなのよ。サンドイッチとかスコーンとか、他にもあったのに」
「久々のその髪型が懐かしくて」
ミユの質問に対して佐藤は妙に顔を赤くしてから答えた。そして言われたことで、出かけ前に髪型をセットしていたことをミユは思い出す。髪型だけで無く子供っぽいと思っている服装も含めて。
その結果、ミユの方も恥ずかしいと感じて顔を赤くした。
「前に来たときにも志村さんはジャムパンだったからね。それに最近はあまり見かけなくなったけれど、前は学校でもよくジャムパンを食べていたし」
「そんなことを覚えていたの? 子供みたいだと言われたみたいで恥ずかしいわ」
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