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「ジャンヌさん!?
あんた、確かディリスの街に住んでるんだろ!?
なんで…」
俺の疑問の言葉に、カルディネも目を丸くしている。
そりゃ、俺がプロポーズして4時間…
この短時間でディリスの人が、ここに居る理由が判らないから。
「ん?閃の事がシオネさん…一緒に乗ってた奥さんな!
シオネさんの奥様念話ネットワークに入ってな。
シオネさんが教えてくれたんだ。
ディリスの代表として、ワシが転移の出来る奴を梯子して来たんだ!」
…なんちゅう無茶を…
…一体何人がその転移で、バテバテになったのやら…
出入り口を見れば、一人、グッタリしているのが見て取れた。
ジャンヌさんは、その青年の後ろ襟を掴むと、カウンターに放り込んで、エールを飲ませていた。
どうも、転移で疲れ切った青年を労っているらしいが、俺から見れば、トドメを刺しているように見える。
「シャミル婆さんから頼まれてた奴も、もう届くぞ!」
ジャンヌさんの言葉と、医療ギルドのドアが開くのは同時。
ドアから大量の食い物が運び込まれてきた。
「ディリスの時の婆さん…
シャミル婆さんから金を渡されてな。
この金で旨い物をたんと喰って貰ってくれ!って頼まれたんだ。
本当なら駆けつけたいが、療養中の身で、それは閃を困らせる事になるって言っててな!」
どうも、あの時の婆さんからの贈り物らしい。
とにかく、雪崩れ込んでくる人と飲み物と食い物の山に、俺の情報処理能力は追い込まれていく。
「せ…閃…あれ…ヴェア猪の肉じゃないの…?」
カルディネの指差す先には、ヴェア猪の肉で作ったローストビーフが鎮座。
それを皆が食いまくってる。
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