36.豪雨の思い…

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「だから?カルディネはカルディネだ。 カルディネの言う孤児だと、捨て子だと、カルディネではなくなるのか? 俺にはどうしても、そうは思えないが? それに俺が聞きたいのは返事であって、今のカルディネの気持ちだ」 閃は平然と、あたしの叫びに返していた。 …馬鹿みたいだ… 「あたし…で…良いなら…」 あたしの素直な言葉は、閃には別に聞こえた様だ。 何処からか取り出した、蛇腹折の紙でスパンと叩かれた。 後で、ハリセンと呼ぶことを知った。 「カルディネが良いんだ。 自分に自信を持てなくてどうする! そこは、しょうがないから閃と結婚してやっても良い、位を言っとけ」 閃の言葉に、不覚にもあたしは泣かされた。 泣き崩れるあたしに閃がオロオロしているのは、泣きながらも少しだけ笑えた。 医療ギルドの酒場では、閃の払いでその日は豪遊となった。 周囲からの祝福の言葉が、妙に擽ったかった。 今…少しだけ…いえ、かなり… 豪雨の日が好きになれた。
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