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「よー!閃!!
ついに腹を決めたか!
リンと一言、言わせて欲しくてな!!」
俺が行動して15分としない内に、ラルド・ローマンが医療ギルドの酒場に飛び込んできた。
ラルドの横には、奥さんのリンさんが息を切らせていた。
豪雨の中でありながら、駆けて来たらしい。
「そーよ!
お姉さんに相談も無く、一気に走ったわね!
あっ私リンね。
そこのラルドの妻してます」
リンさんの言葉が、酒場の出入り口から響いてきた。
酒場に到着するなり、ラルドさんは俺の頭を殴り、リンさんはカルディネの両手を掴んで、上下にシェイク。
「は…はぁ…カルディネ…です」
さすがのカルディネも、リンさんのテンションには負けるらしい。
突然叫びながら乱入した夫婦は、俺とカルディネを引っ張って、エールを注文すると飲み始めた。
そこに、ソッと入ってきたのは、赤髪ちんまい魔法使いのルディア・ボートマンだった。
「こんばんわ…話…聞いた。驚いた…喜ぶ」
ラルドの背後からの声掛けで、ようやく気付いたルディアさんには俺も驚いた。
気配が全然しないからな。
傭兵ギルドで世話になった人達が駆けつけてくれたらしい。
「よぉ!あたしらが狙ってた閃を、手懐けたのはどいつだい?」
そう叫んで入ってきたのは、大剣を担いだシフィル・ローディスさん。
その背後には彼女の姉である、放浪図書館の異名を持つリディス・ローディスさんだった。
「ほんとよね…そろそろ落とそうって画策してたのに…」
ぶつくさ言いながら、シフィルとリディスはカルディネを見つけると、その前に立つ。
「ちょっと!あの変人を落とすって、どうやったのよ!」
その二人の問い掛けに、カルディネは茫然自失。
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