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「そうですよ。昨日の敵は今日の友。
あれから、いくつもの月日を過ぎた今となっては、親友でも構いませんよ?
あっ、今の私は勇者モードです」
勇者の疫神さんって一体…
一定期間で性格がチェンジする疫神さんに、俺の疑問は尽きない。
「好き勝手言ってますね。
とりあえず、私から閃君に伝えねばならない事がありましてね」
最高神様からの言葉に、緊張感が高まるのを隠せない。
一体何があるのだろう?
「結婚…おめでとう」
…ほう。ありがとうございます?…
…………
………
……
…
…………?…………
「あの?」
続きが気になって、失礼と思いつつも先を促してみる。
「ん?
私の中では友人の閃君に、おめでとうを伝えたかった。
そう言うことです」
…どうも、真面目におめでとうを伝えに、わざわざ来てくれたらしい…
「あ…ありがとうございます。
ただ、神様がこの地に来られるという事は、そうおいそれとして良い事とは思えませんが?
その辺りは、大丈夫なのでしょうか?」
俺の問い掛けに、最高神様が頷いている。
「ですよね。そこまで思慮深くて、私は安心しました」
…いや、真っ先に誰でも思いつくだろ?…
…アテナさん達が、現にこうして此処に居るという事…
…つまり問題が無いのか、あっても補正範囲内なのか…
「うん。今思った中では、補正範囲内と言うのが正しいですね」
…ナチュラルに思考を読まれた…
…まぁ、俺の内心なんぞ、神様にとっては筒抜けな上、駄々漏れなんだろうけどさ…
「そうですよ?
駄々漏れなので、仕方ないのです。
それと、ついでに教えなくてはなりませんが…
閃君は神代理補佐…なんだけど…」
…ん?嫌な予感がする…
俺の表情に、カルディネが反応する。
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