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「何?閃がここまで警戒するのって、久しぶりね」
ボソボソと俺に聞いてくるカルディネには、苦笑いしか返せない。
「閃君の戦いぶりを、神界のヨウツベで見た神がね…
どうも気に入ったらしいんだ」
…俺の嫌な予感が、徐々に拡大していく…
…気に入っただ?俺の戦いが?…
「その感心が…一定のレベルを超えてね。
居るじゃない?
ヨウツベの投稿者が人気出て、ゲームのCVに抜擢されるとか…」
…CV…キャラクター ボイスの略で声優みたいな感じだったな…
…確かに聞いた事はある…
…ゲームの実況プレイしてた人が、別のゲームのCVに抜擢されるとか…
…それがどうしたんだ?…
「アレに似た感じの事が、今起きててね。
あの戦いに魅せられた神が、信者になってさ。
自然と、閃君は神の一柱に自然昇格さ。
あっ、自動的に奥方であるカルディネさんもね」
その言葉を聞いた瞬間、俺の動きは加速された。
立ち上がる、短距離ダッシュ、アイアンクローによる吊り下げ、振り回し…
それらの動作を一瞬で行った。
いや、振り回しに関しては、今も尚続いている。
「アテナさま?
あれほどヨウツベにはご注意をと…
口を酸っぱくしてお願いした訳ですが?
ウインドルブムさんの様に、挑戦される方もみえますし…
俺にとっては害しか無いと、あれほど申し上げたつもりですがね?」
握力も最低限であり、頭痛は最小限に留めての振り回しなので、見た目程のダメージは、アテナさんには掛かっていない。
それはカルディネにも、理解できていた。
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