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「大勢の人を……って、どうやってやるんだ!?」
セリーゼが食いつくように聞いてきた。気になるのか、そうかそうか。
「方法は……」
「…………」
「わからん」
「何だよ! 期待させるな!」
残念でした。セリーゼちゃん、君の欲する答えは今のところ何もない。これが現実だ。
「いやいや、だってさ考えてみろよ? 俺まだフランドロスに行ったこともないし見たこともない。名産とか流行りとか何にも分からないんだぜ? 情報量が圧倒的に少ないのにどうにか出来るわけ無いじゃん」
「この男は……! 信用して良いのかどうかわからんな!」
「でも、何とかする。してみせる!」
「そんなキメ顔で言われても説得力無いぞ!」
「だぁかぁらぁ! 答えを急ぐなってことだよ。お前にとっても、俺にとっても大事なことだからこそ、慎重にやらないといけねぇだろ?」
「ぅ……」
「勿論、俺達だけじゃどうしようもないこともある。お前も王女として、何が出来るのかを考えておけよ?」
「……わかった」
「それっぽいこと言ってますが、結局今は考えなしってことですよね?」
「そもそもフランドロス知らないとか……そこは調べてると思ってたよ。どうしよう、僕不安になってきたよ」
ブー垂れる二人の言葉に気まずくなったのか、彼女達の前でアルが青ざめた顔で手をパタパタと振る。
「お、お二人とも……声が……! き、聞こえますよ!?」
余裕で聞こえてるわ!
つか、愚痴は普通離れてこそこそするもんだろ! 何で俺を挟んでしてんだよ!
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