第十五話:魔物狩り

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馬車を走らせること、どれくらいだろう? 結構経った。んー、二日くらい。 先ずは一言、思ったこと言うと…… 遠いわ!! 今までに行ったロッドとかメモルライナとは比にならんくらい遠い。遠すぎて何で俺馬車に乗ってんの? と本来の目的を忘れかけてしまった。 日本なら飛行機でいけたり、電車が使えたりするが、異世界ラインバレルにそんな交通機関は存在しない。 だから、移動にめっちゃ時間がかかる。 疲れた。あー、疲れた。 「魔王様、何を放心なさってるのですか。着きましたよ、さあ、立ってください」 「ちょっと待って、すぐ立つから。今は少し休ませて? ずっと揺れ感じてたからしんどいの、ねぇ、待ってって手を引っ張らないで」 サクラはぐったりした俺の手をしつこく引っ張ってくる。思うのだがサクラは俺が嫌がっている時こそ張り切る癖がある気がする。今もほら、目が輝いてるし。 「失礼な、誰がそんな酷い事をするもんですか」 「心読めてるじゃん。本気で嫌がってるの知ってて続けてる時点で確定だわ」 「魔王様って体力無いよねー。こんな距離でこんなんになってたら戦場じゃ生き残れないよー?」 「アタシはこんな脆弱野郎に負けたのか……ッチ!」 君たちはもう少し魔王を慮った方がいいと思う。
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