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今度はすぐ頷いた。 目の前にいる彼女は、さっききっと他の男のことで泣いてた。 電話で話した男の感じだと、なかなか会うことが出来ない関係みたいだ。…どうしてそんな男に助けを求めたんだろう。 「…俺も、寂しいんです」 助かったことより、他の男を思って泣いている彼女のことを思うと…。 あの後の嫌な女の言い分を考えると、彼女の恋はきっとそう簡単に報われない。 「家族とも疎遠で」 指先の髪を手繰り寄せるように触れると、手のひらへ胸の感触が甦ってきて…どうしようもなくなる。 こっそりと主張を始めた体の一部からわざと意識を反らし、 「…つき合ってる人…いますか?」 彼女が頷いたら、この思い出で諦めるつもりだった。あの電話で話した男は彼女の特別だって知っている。
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