第二夜

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クスクスと笑って、都琴が聡乃へと身体を近づける。 ベッドのスプリングが音を立てて、そして聡乃の唇に軽い口づけをした。 「……!」 その、あまりに甘酸っぱく、あまりに予想外なキスに、聡乃が目を丸くすると、 「ほら、そういうところ。とっても可愛いです」 「!!!」 そう言ってにっこりと、目尻を下げる。 当然ながら、突然恥ずかしさに火がついた聡乃は、真っ赤になって口元を押さえた。 「さっ、斎藤くんって、そういう人……!?」 「そういう、とは?」 「普段、笑った顔なんて見たことないよ!? そんな風に笑う人なの!?」 さっきから何回も! 甘くて優しい笑みを零している。 「……そうですか? 結構笑ってるつもりですが」 目を丸くする都琴に、聡乃は全力で首を振った。 「んー……なんだろ、聡乃さんを前にすると勝手に緩んでしまうのかもしれないですね。聡乃さんが可愛すぎるんで」 ぞわわっと背筋が強張った。 身体を抱きしめ、都琴に言う。 「それ、やめて!」 「どれですか?」 「可愛いって言う、それ!!」 叫ぶとまた、笑う。 こんなに簡単に微笑む人だとは思わなかった。 ぞわぞわする聡乃とはちぐはぐに、微笑む目の前の男は、どうやら本気でそんなことを言っているらしい。
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