乾いた心-2

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買い物を済ませコンビニを出る。 いよいよマンションへと向かう私たちだが、私はひどく緊張しており、ふわふわしている頭の中で今朝出た時の家の様子を思い浮かべていた。 わりと綺麗好きな私は、散らかし癖はない。 しかし、休日しかちゃんとした掃除ができないため、テレビボードの上やベッドのヘッドボードの上など、細かい部分のほこりが目立たないか不安である。 家具は白色のものを揃えてあるので、ほこりが気がつかれないといい、と願いつつ歩いた。 住居は6階建てのワンルームマンション。 白壁に茶色が混じった見た目の建物は、オートロックがついており、住人は学生が多い。 今も私と亮介さんがエントランスに入った時に、外に出ていく同じ3階の住人である学生の男性とすれ違った。 たまに顔を合わせる彼とは、男連れ、ということで少し恥ずかしかったけれど、普段のように「こんばんは」と言い互いに頭を下げたあと、私と亮介さんはエレベーターに乗った。 エレベーターをおり、一番近い部屋が私の住居。 亮介さんに「ここです。今、鍵開けますね」と言って、扉を開けた。 「狭いですけど、どうぞ」 「ううん、お邪魔するね」 「はい」  とても緊張する。 玄関に入ってすぐのところに浴室とトイレ、それから6.7帖の小さなキッチンつきの縦長の部屋がある。
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