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次の日の朝、出向くと、祖母はたくさんの服を広げて、仕分けし始めていた。 「おはようさん。よう来てくれたな。おおきに」 玄関から見えた顔は、昨日よりも元気そうに見えた。 「一体何をしたらいい?」 「まずは、二階にある服を全部降ろして欲しいんや」 「うん、分かった。……、荷物はたくさん持っていける?」   「行くとこは、二部屋くらいしかあらへんし、ほんまに必要なもん以外は全部処分するつもりや」 「この家は?」 自分の実家よりも古いこの家は、築四十年ほど経っているのかもしれない。 「こんな古い家なんやけど、住みたいという人がおるさかい、その人に貸そうと思うて……」 「ああ、そうなんだ」 家までも跡形もなく消えてしまうのかもしれないと思っていた分、それを聞いてほっとする。
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