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そのまま車に乗り込ませて、祖母の家へと向かう。
助手席に座ったその姿は、今までで一番小さく見えた。
年をとってからの法要は疲れるのかもしれない。
「どうや、むこうでの生活は?」
「うん、もう二年目だし、大分と慣れて、元気でやってるよ」
祖母のゆっくりとした話し方のせいか、いつもよりも穏やかに話せる自分がいた。
「すぐに、もんでまうんか?」
「ううん、しばらくは帰らないよ。こっちの友達と会うし、一週間くらいはいるつもりだけど……」
そう答えると、少し間ができて、ゆっくりと祖母は口を開いた。
「……、あんな、もし時間があったらでええんやけど、うちの所で手伝ってもらいたいことがあるんや」
「僕に?」
「そや、重たいもん運ぶさかい、手伝ってくれへんか?」
「うん、いいよ」
気楽な気持ちで返事をする。
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