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「助かるわ。おおきに」
「今日は無理だけど、昼間なら大体空いてるし、都合のいい時を教えて」
「ほんなら、明日でもええか?」
米が入った袋でも運べばいいのかと安易に考えていたら、突然思いもしない言葉が助手席から飛び出してきた。
「あんな、ばあちゃん、引っ越しするんや」
「はっ?」
全く想像していなかった出来事に、間の抜けた声が出た。
「引っ越しってどこに!?」
八十歳手前の年寄りが、どこへ行くのか見当がつかない。
思わずハンドルを握る手に力が入る。
「県外にある高齢者用の住宅に引っ越すんや」
まるで旅行に行くかのように誇らしげに答えるのを聞いたが、なぜそんな堂々としていられるのかが理解できなかった。
「えっ!? だって、おばあちゃん、元気で一人暮らししてるだろ?」
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