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――きっとこれから、さゆはいっぱい恋愛するんだろうね。さゆは可愛いしいい子だから、みんなほっとかないよ。
橙色に染まった彼が笑顔で言った言葉が、ふわりと頭を過る。
ねぇ、理久。
わたし、まだちゃんと恋愛出来てないよ。
理久はそう言ってくれたけど、いっぱいどころか、全然だめだよ。
ねぇ、帰りたいよ。あの時に。
ただ笑ってばっかだった、三人で過ごしたあの懐かしい日々に。
一度電源を落とし、電源プラグを抜いて差し直した。
もう一度電源ボタンを入れたけど、やっぱりそれは動いてはくれなかった。
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