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 プラネタリウムを出た足で、そのまま大学に向かった。    校門をくぐると、当然だけどたくさんの学生で溢れていて、楽しげな声を上げながら通り過ぎていく学生たちは、キラキラと眩しく見えた。  右に道なりに歩く。  何度も通った道。季節ごとに表情を変える木々たちは、葉が落ちてしまい今は寂しそうな表情をしていた。    角を曲がり、目の前の光景に自然と足が止まった。  目の前にはグラウンドが広がっていた。ここにあったはずのひょろりと長い七号館はなかった。 「あっ、あの、すみません」  側を通りかかった女の子に声を掛ける。 「なんですか?」 「ここにあった七号館って……ここに七号館ありませんでした?」 「七号館?」  女の子は唇に指を添え、首を傾げる。  答えたのは、隣にいた先輩っぽい男の子だった。 「七号館なら取り壊されましたよ。去年……いや、一昨年かな。見ての通りですけど、グラウンドになったんです」 「……そうですか。すみません、ありがとうございました」  会釈した二人は並んで反対側へ向かう。 ……そっか。七号館、なくなっちゃったんだ。  グラウンドでは、サッカー部と思われる人たちが、声を上げながら走り回っている。  七号館はあの頃から建物自体が古くて、ほとんど使われてなかった。  在学中に、取り壊しの噂を聞いたこともあった。  七号館のあった場所を少しの間だけ見つめてから、踵を返した。
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