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広い霊園は、今日もあまり人気がない。
木々がざわめく音だけがしている。
園内は敷地が広くたくさんの区画があり、記憶を頼りに探したけれど、見覚えのある目印を見つけるまでに、同じ道を何度も歩いた。
一番下の水汲み場で置いてあるバケツに水を汲み、石段を上る。
バッグとお花とバケツ、洋菓子店の紙袋。
全部一人で持つのは大変だった。
途中零れた水が、靴を濡らした。
「……理久、久しぶり」
前にしゃがみこみ、花束を生ける。
その横に、紅茶の缶と星型のクッキーの袋を並べた。
「毎年こればっかでごめんね。飽きてないかな? 違うのにしようかと思ったんだけど、他にどれ買えばいいかやっぱりわかんなくって……ごめんね」
バッグからお線香を取り出し、火を付けた。
赤く灯った先端から、白く細い煙が立ち上る。
そっと置き、両手を合わせる。
目をつむると、七年経った今でも、理久の笑顔が瞼の裏いっぱいに溢れてくる。
ゆっくりと目を開ける。
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