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「さゆを困らせちゃったよね。……本当にごめん。本当はあんなこと言うつもりじゃなかったんだけど、さゆの顔見たら……言ってた。止められなかった。 俺は今日でさよならだけど、二人はこれからもずっと一緒にいられるんだって……これからも一緒にいて、どんどん俺の知らない二人になっていくんだって思ったら、淋しくてしょうがなかった。 前にも話したと思うけど、俺ね、一人っ子だったから、昔から兄弟が欲しいと思ってたんだ。だから、さゆと仲良く出来て、妹がいたらこんな感じだったのかなぁって、さゆが懐いてくれて嬉しかった。 だから、さゆが那月のことを好きかもしれないって気付いた時、嬉しかったんだ。大好きな二人が上手くいったら、こんなに良いことはないだろうと思った。 でも……いつからだったかな。……うん、そう。先生に言われた時くらいだったと思う。すごく遠回しだったけど……もう無理って言われた時。 その時、二人を見て初めてイライラした。……嫉妬したんだ。二人に。俺はもう長くなくて、でも、二人はこれからも仲良くやっていくんだって。
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