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「ねぇ、根詰まりってなに?」 「根が詰まること」 「そのまんまじゃん」  説明する気はないらしく、那月は砂ずりにお箸を伸ばしている。  膝立ちでずりずりとはっぱちゃんに近寄った。そっと指で葉っぱを撫でると、つやつやした見た目通り、滑らかな感触だ。 「元気になって良かったねー。那月、大事にしてくれてありがとね」  前半ははっぱちゃん、後半は那月に宛てて言うと、那月から「おー」と気のない返事が返ってくる。  もう一度葉っぱを撫でてから元の場所に戻ると、お箸を渡された。一口大に切られた豚肉のしそ巻きは、今日もやっぱり美味しい。那月は料理も上手い。  そういえば、あの時、ルコウソウの世話を一番してくれていたのも、那月だった。  大学近くのお花屋さんで、「星の形の花が咲きます」と書かれたポップに惹かれ買った、一株だけ植えられた小さな植木鉢。あれはちゃんと咲いたんだっけ。  理久(りく)が持ってきた星柄のトランプから始まった、星のもの集め。  元々星関係で溢れていた部室は、星の形のクッションに時計、星柄のマグカップ。競い合うみたいに集めたわたしたちのせいで、さらに星だらけになっていた。
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