鳴り響く汽笛の向こうに

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だけど。 俺たちが6人で会うのは、おそらく今日が最後だろう。 3学期はほとんど登校日もないからだ。 綾とこうして会えるのも、もうあと数えるほどしかないはずだ。 見ないふりをしても、気づかないふりをしても。 彼女への気持ちは強くなる一方だった。 日に日に強くなる想いは、出口を求めて俺を苦しませた。 もうすぐ会えなくなると思えば、なおさらこの感情は俺をせっつく。 ここから、閉じ込められた俺の内側から、開放してくれ、と。 だから俺は今日、あるひとつの決意をした。
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