焼きそば700円

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 潮溜まりのヒトデや、小さな魚などを見て、 これはなんだろうね 、こっちのはなんだろうね、と二人で話した。  栞がフナムシをつかまえて、こっちに見せる。  腰の引けている僕を見て、彼女が笑った。  彼女がフナムシが平気なんて、初めて知った。  人ごみのビーチをなんとかすり抜けていく。手の先の彼女を、今度こそ見失わないようにした。  お互いに、すごい人だね、と顔で合図し合った。  海にも人がそこら中に浮かんでいて、すごいね、芋洗いってうまいこと言ったね、と、彼女が言う。  そうだね、と僕が感心して言う。  海から上がってきたら、僕だけがクラゲにそこら中を刺されていた。  ヒリヒリする。  広樹くんが守ってくれたんだね、と彼女が笑いながら言う。  そうか、と僕は少し胸を張る。  日が暮れ出して、少し気温が低くなってきた。  焼けた肌を、撫でていく風が気持ちいい。  あたりで帰り仕度を始める人たちが増えはじめ、ビーチのシートやパラソルも、まばらになってきていた。
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