うすい本屋さん

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私は腕時計をちらりと見る。 「14時32分……。 晩御飯まで帰るには、まだ一時間以上時間余裕があるな……。」 意を決した私は、看板のある雑居ビルに入り オンボロのエレベータで3Fへ昇る。 するとそこには、団地の玄関ドアのような入り口に "うすい本屋" の表札が掲げられていた。 「これはいよいよ掘り出し物のニオイがするぞ……」 募る期待感に思わず口元が緩みだす。 はやる気持ちを押さえながら、私はドアノブに手をかけ 禁断の扉を景気良く開いた。
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