うすい本屋さん

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「いらっしゃいませ。」 入店一声、店員からのあいさつに思わず身を跳ねる。 アダルトショップよろしく、 この手の店では"お互い関せず"が 暗黙の了解だと思っていただけに、 先刻の不意打ちには心臓が飛び出る思いだった。 慣れないショックからか、 しばらくの間、放心状態で店内をうろついていた私。 私が我に返った時には すでに時計は15時15分を回っていた。 「いかんいかん、早いところお宝を見つけなくては……。」 すーはーと、深呼吸を繰り返した後、 気を取り直した私は店内の探索を始めた。
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