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俺達が、夜の『〇〇ヶ浜』に到着した時…
浜には、当然の事ながら誰もいなかった。
ぼんやりとした月明かりに照らし出された暗い砂浜に…
ただただ、静かに波の音だけが響いている。
「おおっ!めちゃめちゃ最高の雰囲気じゃないか!」
Aが感嘆の声をあげた。
「そうだなぁ!」
俺もAの意見に賛同する。
「確かに、これは来た甲斐が有った!
じゃあ早速、あの海の家に行ってみようぜ!ああっ!ゾクゾクする!!」
Bも喜びの声をあげた。
という訳で…
俺達は、浜辺に立てられている『遊泳禁止』の看板を無視して…(まあ、遊泳する訳じゃないし)
早速、例の廃屋となった海の家へと向かった。
「おおっ!!」
その廃屋を見た途端、
Aが再び、感嘆の声をあげる。
「いやぁ!
夜、見るとめちゃめちゃ不気味じゃないか!」
俺も…
思わず息を飲んだ…。
その木造平屋の廃屋は…
雨風にさらされた為か、
すっかり朽ち果てた感じで、本当にめちゃめちゃ不気味な雰囲気だった。
Bが…
恐る恐る、入り口の木の扉に手をかける。
『ギッ…』
と、きしんだ音をたてて、その扉が開いた。
俺達三人は、
「よし!」とばかりに中に入った。
店の中は…
窓から射し込む月明かりでぼんやりと薄暗かった。
建物の外観にも増して、なお一層、めちゃめちゃ不気味な雰囲気だ。
かつては、店のカウンターだったらしい場所には、
ホコリか砂だらけのレジの機械が転がっており、
その横には、ガラスが割れた飲み物ケースが有る。
その内部の床には…
一面にタタミが敷き詰めてあり、所々に小さなテーブルやら座布団が散乱していた。
俺達は、ちょっとした『探検気分』で、あちこちを見て回った。
と、俺は…
何とは無しに、窓から外の風景を見てみた。
「おおっ!
窓から見る夜の砂浜も、めちゃめちゃ良い眺めだぞ!!」
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