0、ブレーメンには負けられない

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「休憩時間が終わります。皆さん席についてお待ちください」 俺のマイクチェックの思いを受け取ってくれなかった放送部員さんからのアナウンスが流れる。これから第2部の始まり。それはつまり、俺らの最初で最後のステージが始まろうとしているって訳。生徒たちのざわつきが落ち着き始め、少しずつ静寂に包まれ始める。 「いよいよだな」 声のした方を見ると、領真が表情を緩めながらこちらを横目で見ていた。少し気持ち悪い。 「そうだなー、長い様で短い時間だったよ」 「だな」 短く交わされる会話。でもお互いに気持ちは何となく分かる。……というか二人だけじゃなくて、多分全員考えてる事は一緒のはず。軽く皆の顔を見回す。 横目で見ながら表情を緩めている領真。 終始にこやかな表情を見せている南雲。 スティックのささくれを気にしている大輔。 そして、自分のツメを気にしている園田。 園田を見ていたら少し緊張が和らいだ。なにアイツ癒しじゃん。超癒しじゃん。今だけは。 よし。落ち着いた。テンションばっかり上がってたけど、良い緊張感に戻せたかな。そしてタイミングもばっちりだ。 「――――それでは有志の皆さんのステージをお楽しみください!」 さぁ始めようぜ、俺たちのステージを。 俺たち『3年4組音楽隊』の演奏をっ!!
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