暑い砂浜

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ふらふらと砂浜を歩いていると、遠くのほうに何やらテントらしきものが見える。やっぱりここは観光地なんじゃねえのか?ってか、なんで俺はこんな砂浜にいるんだ?ということを考えつつ、水を求めて砂浜のテントに向かう。 テントはフェスとかにある感じの、町内会の催しとかにある感じの白い屋根にポールがついてるやつだ。そんなテントが砂浜に並んでる。 テントに近づいてまずがっかりしたのが、ここにも人がいねえってことだ。この砂浜がどこか聞くこともできやしねえ。テントは円形に10個ぐらいならんでおり、どうやらとうもろこしとか焼きそばとか売ってたっぽいんだが、調理器具の残骸しか見当たらない。テントに囲まれた砂浜の上にパイプ椅子が20個ぐらいならんでおり、スクリーンが置いてある。ああ、これは最近色んなところでやってる砂浜の映画上映イベントか、と気づく。しかし、どう見ても映画上映は終わった後だ。 ふいにスクリーンに映像が流れる。太陽が照っている昼間なのでスクリーンがよく見えない。しかし、何かしらの音声のない映像が流れてるのは確かだ。 この映像。この映像に見覚えがある。俺の視界だ。俺が異動で地方の商業施設に来た時の映像だ。そうだ、俺は都会から地方に異動になったんだ。それで海のある町に来た。クソ暑い日で、しかも携帯で上司から怒鳴られまくった、すげえむかつく日だった。商業施設で貝を売るわけわかんねー仕事につき、商業施設の空調が不調で蒸し暑く、さらに上司に怒鳴られ、太陽がクソ暑かったことまで覚えてる。それから俺はどうしたんだっけか。どうして、海にいるのか。そんなことを考えていると、ぷつっとスクリーンの映像が途絶えた。
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