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『…………』
『なんでそんな間抜けな顔するの? そっちが言えって言ったじゃん』
『〝空は繋がってるよ〟待ちだったんだもん』
そう言って肩で道孝の腕を小突くと、道孝はまた屈託もなく笑った。
それが3ヶ月前のこと。
「…………」
私は目を開けて、卓上カレンダーを見た。あれがたった3ヶ月前だなんて、嘘みたいだ。もう、1年以上離れている気分。
頭を机に預けたままで手に持っていたケータイを見ると、暗くなった画面に自分の顔が映っていた。なんとなく疲れた顔だ。私は無理やり表情筋を引き上げ、いつも鏡の前でしているように笑顔を作る。そして、ボタンを押して、画面を明るくさせた。
【心配しなくて大丈夫だよ。頑張るね!】
結局、私はそんなメールを返し、「よしっ」と自分自身に気合を入れて体を起こした。
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