4人が本棚に入れています
本棚に追加
催促
「どう?進んでる?」
入ってくるなり「彼女」はそう言って僕の肩越しに顔を覗かせた。
「僕の普段投稿しているジャンルとはちょっと違うから、どうまとめようか考え中」
そう言ってお茶を濁したが、実際はオチを考えずに書き始めていた。
「頑張ってね。あなたが書けば大賞が取れるわ」
「頑張ってはみるけど…」
僕の実力は僕が一番解っている。大賞なんて取れるはずがない。でも、せめて佳作が取れる位のお話が書きたい、いや書かなければいけない。そう、僕は「彼女」が怖いのだ。これで何の賞も取れなかったなんて事になったら・・・。
「コーヒーでも淹れてくるね」
そう言って「彼女」は部屋を出て行った。
「彼女」が戻ってくるまでに少しでも進めておこう。打ち込んでるうちに、いいオチが浮かぶかもしれないし。
『足元を見ると、右足には足かせが付けられ、2m程のチェーンが右の壁際にあるパイプと繋がっている。何があってもここから出さないつもりでいることは明白だった』
さて、この後主人公はどうなるのか。サイコホラーなのだから、主人公は最悪の結末を迎えるのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!