催促

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催促

「どう?進んでる?」 入ってくるなり「彼女」はそう言って僕の肩越しに顔を覗かせた。 「僕の普段投稿しているジャンルとはちょっと違うから、どうまとめようか考え中」 そう言ってお茶を濁したが、実際はオチを考えずに書き始めていた。 「頑張ってね。あなたが書けば大賞が取れるわ」 「頑張ってはみるけど…」    僕の実力は僕が一番解っている。大賞なんて取れるはずがない。でも、せめて佳作が取れる位のお話が書きたい、いや書かなければいけない。そう、僕は「彼女」が怖いのだ。これで何の賞も取れなかったなんて事になったら・・・。 「コーヒーでも淹れてくるね」 そう言って「彼女」は部屋を出て行った。  「彼女」が戻ってくるまでに少しでも進めておこう。打ち込んでるうちに、いいオチが浮かぶかもしれないし。 『足元を見ると、右足には足かせが付けられ、2m程のチェーンが右の壁際にあるパイプと繋がっている。何があってもここから出さないつもりでいることは明白だった』  さて、この後主人公はどうなるのか。サイコホラーなのだから、主人公は最悪の結末を迎えるのだろうか。
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