0人が本棚に入れています
本棚に追加
美味しい味噌汁の作り方
「副会長~っ! 会議資料出来てるかあ~」
生徒会室に能天気な声が鳴り響いた。
「出来てるよ。ってか、ほりぐっちゃんに確認しろよ。書記の仕事だろ、本来」
ぼんっと肩を叩きながら、板垣がほがらかに答える。
「どうせお前が作ってんだから変わんないだろ、なあ!」
俺もいろいろ忙しいんだが……まあ、こいつはそんなことは気にしない。って言うか、思いもしない。それがこいつの、学大一高の生徒会長である、板垣勝頼の長所でもあるから厄介なことだ。
学殖大学の付属高校の三年。
夏休み前、生徒会活動も引退間近。大体のところは後輩に引き継いではいたが、まだまだ不安も多くこうして顔を出しては、あれこれ手を出してしまっていた。板垣に至っては、単なる冷やかし以上のものはない。
「しかしなあ笹井、お前も苦労性全開だなあ。何事も思い込みまくって止められないのも辛くないのか?」
余計なお世話である。
そりゃあ俺だって大概にしたい。
あっちこっちから呼ばれたり推薦されたり、はたまた興味があれば自分から顔を出す。そんな風にしていたらあれよあれよという間に活動している部、委員会、校外活動まで含めると両の手では足りない。
最初のコメントを投稿しよう!