第二章 死する狼の為の鎮魂歌

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第一章までの登場人物*** ・ゼノ  この物語の主人公。異種族との交流を禁じ、人の姿で暮らす竜である『竜人族』の青年。里で忌み嫌われる闇色の鱗の一族に生まれたために、疎まれ蔑まれて育った為、彼自身が親友と認めるイシュナードの他に心を開くことができずにいた。  厳格な里の掟を重んじる生真面目な一面もあり、異種族に対してはかなり冷徹。 ・マリアンルージュ  ゼノと同じ竜人族で、朱紅(あか)い鱗の一族の女性。竜人族には女性が殆どいない為、幼少期から里の皆に可愛がられており、ゼノとは全く逆の立場で人生を歩んできた。  明るく活発で優しい性格だが、里で忌み嫌われる闇色を好んだりゼノに好意を寄せたりと、本音を口にできない肩身の狭い思いもしてきており、ゼノと同じく心を開ける相手はイシュナードだけだった。  お人好しで馬鹿正直なところがあり、ゼノやオルランドに度々心配されている。 ・オルランド=ベルニ  法と秩序の国レジオルディネで治安維持の為に日夜駆け回るレジオルド憲兵隊第十七隊隊長。  不器用だが実直な性格で、テオ、ジルド、アルバーノをはじめとする部下達には慕われている。  最東の村エストフィーネでの一件以来、マリアンルージュに密かに想いを寄せている。   ・イシュナード  ゼノやマリアンルージュと同じ竜人族で、白銀の鱗の一族の青年。容姿端麗で何事もそつなくこなし、里の皆に期待されていたが、ある日忽然と姿を消した。その目的は未だ不明。  捉えどころのない性格で、ゼノを含め、彼の本心を知る者は誰一人いなかったと思われる。  ゼノにとっては唯一人の友人にして親友。  過去にマリアンルージュが婚姻を申し込んだ相手でもある。
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