第17話 友達

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「……いないです。ご両親は海外出張で戻って来られなくて。サッカー部でも西崎先輩は正直好かれてませんでしたから、あたし以外の部員は誰も。普段は西崎先輩といちゃついてる女の子たちも、こういう時は薄情なもんで誰1人として顔も出しに来ません」  峰岸は、溜息交じりにそう答えた。 「まぁー……私も学校でハブられてるようなもんなんでほっとけないんですよね、西崎先輩……はは」  峰岸は自嘲気味に笑った。この子が学校で嫌われているとはなかなか信じ難いが……。 「そうか……」  俺は適当に返事をしておく。  ……だが、西崎の奴はやっぱり高校でも部活でも敵ばかり作っていたのか。プライドの異常に高いこいつは昔から周りに壁を作りやすく、敵も多かった。しかもプライドの高さに比例してサッカーも上手くて女にもモテるときたら……男子から嫌われて当然だ。中学から何も変わってない。 「やっぱり、高校でもこいつの嫌われ具合は健在だったのか……流石だな」 「……っぷ、そこ、感心する所じゃないです」
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