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「あ、もうこんな時間だ。ごめんなさい、塚原先輩。せっかくの休日に無駄話ばかりしてしまって……」
「いや、気にすんな。俺も楽しかったし。じゃあ、そろそろ俺は帰るけど……送ろうか?」
「平気です、平気です! 家すぐ近くなんで!」
「そっか。気を付けて帰れよ? ……まだ犯人も捕まっていないしな」
俺はそう言って病室を後にしようと病室の扉に手をかける。ずいぶん遅くなってしまったな、さっさと帰らないと……そんな事を考えながら帰ろうとした、その時だった。
「あ、あの! 塚原先輩!」
峰岸の当然の声で俺は後ろを振り返る。
「また……会いに来てくれますよね、西崎先輩に」
彼女は少し不安そうに問いかけてきた。だが、俺の答えはとっくに決まっていた。
「……馬鹿だな、会いに来ないわけないだろ。友達だぞ」
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