第17話 友達

5/5
前へ
/296ページ
次へ
「あ、もうこんな時間だ。ごめんなさい、塚原先輩。せっかくの休日に無駄話ばかりしてしまって……」 「いや、気にすんな。俺も楽しかったし。じゃあ、そろそろ俺は帰るけど……送ろうか?」 「平気です、平気です! 家すぐ近くなんで!」 「そっか。気を付けて帰れよ? ……まだ犯人も捕まっていないしな」  俺はそう言って病室を後にしようと病室の扉に手をかける。ずいぶん遅くなってしまったな、さっさと帰らないと……そんな事を考えながら帰ろうとした、その時だった。 「あ、あの! 塚原先輩!」  峰岸の当然の声で俺は後ろを振り返る。 「また……会いに来てくれますよね、西崎先輩に」  彼女は少し不安そうに問いかけてきた。だが、俺の答えはとっくに決まっていた。 「……馬鹿だな、会いに来ないわけないだろ。友達だぞ」
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!

379人が本棚に入れています
本棚に追加