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ソファになってるんだ。いいのかな?私は怖々、ちょっとだけ座った。
数冊の単行本と文庫本と、有名じゃないカメラマンの遺作になった写真集を一冊、隣の小さなテーブルに置いている。
やっと一冊だけ出逢えた。
大きい本屋さんは、本当に広くて迷いそうだ。後でと思っても辿り着けないかも。
少し深く座る。さあ、今日はどの子と帰ろうか。
リュックを足元に置いて、ゆっくりと座りなおした。
最初に、モノクロの写真集を手にとる。
懐かしいアングル。
懐かしい風景。
懐かしいあなたの視点。
うちに一冊あるけど、本屋さんで見たかったんよ。
あなたが出した一冊だけの写真集。
本屋さんで出逢いたかったんよ。
彼の言葉を思い出す。
「おまえの文章は癖がある。だから何回も訂正が入るんだ。」
私の文章を初めて読んでくれた日の言葉。
「でも、俺は好き。」
〈fin〉
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