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明日はきっと寝覚めがいいだろうな。
「ほんで、もうちょっとご褒美やるわ。」
王様はちょっとえらそうに言った。
「いいよ。これで。帯破れてたおかげで、あの本に逢えた。鳥たちの羽ばたきも見れたんだから。」
特に、遠慮とかじゃないよ。そう思っただけ。
「遠慮しなや。もらえるもんはもろとき。」
王様、根っからの大阪人だね。大阪のどの辺りにある設定なんだろう、本の国。
少し笑った私を不思議そうに見てから、えっへんと咳払い。やっぱりちょっとえらそう。
「ご褒美は一回だけのんと、永久的なんと二つのうちのどっちか選ばしたる。」
小さい王様は後ろで手を組んで、切り株の上を歩く。胸を張ってえらそうに。そして止まった。
「おまえ、物語書いてるやろ。」
それちょっとばれたくなかったかな、本の王様には。投稿サイトだから。
最近はみんなスマホとか、タブレットで読むもんね。
でも、紙の本には紙の本だけのいいところがあること知ってるから。あの鳥みたいにね。
それだけじゃないよ。紙の香り、インクの香り、持ったときの手触り。
いいわけみたいに私は考える。言葉にはしないけど。
でも王様は、
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