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『まずは別の携帯を購入した方がいいね。ケイさん臣の連絡先は知ってるんでしょ?それにケイさんは結構新規の人に興味を持つからさ。俺からの紹介って言えば更に会ってくれる確率も上がるだろうし』
眞人の助言どおり次の日俺は新規で携帯電話を1つ購入した。
最新機種なんていらない。
メールと電話が出来ればいいので型落ちの古いものだ。
そして教えてもらった蛍…ケイの連絡先へ誘いのメールを作る。
「『こんにちは。えっと。初めまして。二十二歳の公務員をしています。ハジメっていいます。この間眞人と会った時に自慢の先輩が居るって聞いてケイに会いたくなりました。年齢も近いみたいだし、会うだけでもいいんだ。話してみたいな~もし会ってもらえるなら返信お願いします』っと。こんな感じか?」
文章を作り終え、送信ボタンを押す。
我ながら良く出来た文だと思う。
俺の中の設定ではハジメは少し真面目で、でも性に多感な興味のある男性像だ。
だからこそ売春なんてものにも手を出しているし、そこで話を出された先輩にも興味が出てしまうのだ。
蛍からの返信がある確証は無い。
それでも俺は蛍がこれを読んで、返信が返ってくることを祈るしかない。
本音を言えば返信が返ってくるということは、蛍が客とやり取りをしている……つまり商売をしてるという事だからあまり好ましくは無いのだけれど。
自宅に帰りベッドの上で暇を持て余していると、購入したばかりの携帯から初期設定の音楽が流れる。
メールを受信した合図だ。
携帯を手にとりメール受信画面を見ると案の定蛍……ケイからだった。
俺は恐る恐る決定ボタンを押し、文面を読むことにした。
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