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『はじめまして、ケイです。メールありがとう。俺に興味を持ってくれたみたいで嬉しいです。でもごめん。俺、これ以上この商売を広げる気がないんだ。それにハジメは眞人のお客でしょ?他人の客を取るのはあまりしたくないからさ。でも会って話すだけなら良いよ。眞人が懐くくらいだからきっと良い人なんだよね。場所はハジメが決めていいよ。返事待ってます』
内容を見てほっと息をつく。
とりあえず会う約束は取り付けたわけだ。
問題はここからどのように蛍を捕まえるかだ。
メールなら他人を装えるが、顔や声を聞かれたのでは俺だとばれてしまう。
どうしたものかと考え込むこと数分、名案が一つ浮かび上がる。
むしろその案しか蛍と接触し且つ捕まえるプランは無いと考えた俺は、早速蛍へ返信を入れる。
『返信ありがとうケイ。なら○月○日△時に□□駅の前で待ち合わせ。俺はボーダーのカーデに、細身のジーンズ、ワインレッドのストールを巻いて立ってます。目印にクマのぬいぐるみも持つね。それじゃぁ当日会えるのを楽しみにしてます』
無事送信されたのを確認し、すぐに自分の携帯から眞人へのメールを作成する。
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