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「別に寝てて良かったのに」
「いや、どうせなら俺も浴びたいし。それに……」
「それに?」
コンディショナーを手にとり髪に塗りこみながら先を促してくる。
「蛍と一緒に入りたかった…というか。俺が世話したいというか……」
そう言った途端、蛍はコンディショナーをまだ掌につけたまま俺に抱きついてきた。
普通のマンションの浴室なので男二人で入れば多少狭いが、蛍が抱きついてきた事によって少しスペースが広くなったようだ。
「いや、ホント基臣ってな俺キラーだね。さっきも自分で俺を傷つけたって言ってたけどさ、そんなのがチャラになっちゃうくらい基臣は俺の欲しい時に欲しい言葉を言って気分を浮上させてくれるんだよね。しかも無意識で。好きにならないわけが無い」
それはそれは幸せそうに蛍は優しく微笑みながら、俺に体を寄せてくる。
先ほど出し切ったにも関わらず、裸の蛍に抱きつかれてしまっては理性を箍が緩んでいる俺の体は欲望に忠実に変化していく。
そう俺だってまだ二十二歳の年若き青年だ。
好きな相手に抱きつかれたり一緒に居れば起つし、夢精だってする。
それを感じ取ったのだろう、一度クスリと笑うと更に煽るように蛍が体を擦り付けてくる。
そんな煽りにまんまと乗せられてしまう自分を戒めたい。
「基臣ってば元気~。またおっきくなってきたよ」
「……そりゃぁ自分の好いてる相手が裸で迫ってきてるんだから、起たないわけ無いでしょ。……どう責任取ってくれんの?」
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