ダレノハナシ?

11/16
前へ
/16ページ
次へ
ノートはそこで終わっていた。 手ががくがくと震える。 私がナナミを殺したことになっているなんて……。 いくらなんでもひどすぎる。 ナナミはどうしてこんなこと書いたの? そんなに私に恨みがあったの? 「ひどい……っ、」 震えた手からノートが落ちると、背後に人の気配を感じた。 「シオン、ここにいたのか?どうした、顔色悪いぞ?」 そこにいたのはタクミだった。 「どうした?」 いつもと変わらず、優しい口調で言うタクミ。 タクミはナナミの彼氏だ。 だから言わないでいようと思ったけど、もう限界だった。 「ナナミが私のこと、こんな風に……描いて……」 溢れる涙が頬を伝って床に落ちる。 その時、彼は言った。 「何言ってるんだよ、シオン。ナナミはもういないだろ?」 「えっ」 「ふたりでナナミを消したじゃんか」 「何言ってるの……変なこと言わないで!」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加