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ノートはそこで終わっていた。
手ががくがくと震える。
私がナナミを殺したことになっているなんて……。
いくらなんでもひどすぎる。
ナナミはどうしてこんなこと書いたの?
そんなに私に恨みがあったの?
「ひどい……っ、」
震えた手からノートが落ちると、背後に人の気配を感じた。
「シオン、ここにいたのか?どうした、顔色悪いぞ?」
そこにいたのはタクミだった。
「どうした?」
いつもと変わらず、優しい口調で言うタクミ。
タクミはナナミの彼氏だ。
だから言わないでいようと思ったけど、もう限界だった。
「ナナミが私のこと、こんな風に……描いて……」
溢れる涙が頬を伝って床に落ちる。
その時、彼は言った。
「何言ってるんだよ、シオン。ナナミはもういないだろ?」
「えっ」
「ふたりでナナミを消したじゃんか」
「何言ってるの……変なこと言わないで!」
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