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「タクミが……」
ずっと一緒にいたナナミがタクミに取られたような気がして、ふたりを別れさせたくて嫌がらせをして、でも……それでもふたりは別れてくれなくて、私の心は憎悪でいっぱいだったんだ。
だって私にはナナミしかいなかったから。
友だちのいなかった私に話しかけてくれたのも、私を分かってくれるのもナナミだけだった。
ナナミが大好きでいつまでも一緒にいたいと思ってたのに、私の気持ちはこんなに強いのに、あっという間にタクミに横とりされたのが嫌だったんだ。
邪魔者は消そう。
タクミを殺そう。
私はそう思ってナイフを持った。彼を教室に呼び出して、刺そうとしたけれどそれは途中でバレてしまった。
「殺したいほど、俺のこと考えてくれたんだ」
でもタクミは笑っていた。
バレたナイフは簡単に取り上げられてしまい、失敗したと思った。
でも彼は言ったんだ。
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