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「ねぇ、シオン。ナナミを殺せば、一生目に写るのはシオンだけだよ。ナナミはシオンの姿を目に映して生涯を終えていく、それってすごいことだと思わない?」
「ナナミは私だけをみる?」
「そう」
生きてる限りナナミはタクミの方を見てしまう。
だけど私が彼女を殺せば、目に映るのは私だけなんだ。
彼の言葉を聞いた私はフラフラと彼の元にかけよった。
「ナナミを呼び出して」
「了解」
そして、この教室で私は彼女を刺した。
今でも彼女を刺す時の肉の感覚が残っている。
ズブっと埋め込まれていくナイフに吹き出す血。
最後まで視界に私を映し、最後に私の名前も呼んだ。
「約束したもんね、大人になってもずっと一緒にいようって、これでずっと、ずっと……一緒だよ」
思い出した、全部鮮明に。
ノートに書いてあることは全て事実だ。
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